奈良から平安時代(8−9世紀)の近江国庁に関連する役所跡とされる中路遺跡(大津市)で、東西方向に延びる幅12メートルの道路跡が見つかり、市教育委員会が11日、発表した。
確認されたのは長さ約5メートル分だが、平城京や平安京に行くために通る交通の要衝「勢多橋」(瀬田唐橋)の東約800メートルにあり、都に通じる古代の「国道」とみられる。道路脇には幅2メートル、深さ1・8メートルの大規模なV字形の側溝もあった。
市教委は「都に税を運ぶ地方の人や兵役に向かう人が行き来したのだろう。中山道の基になった東山道の一部かもしれない」としている。
中路遺跡の約400メートル東に位置し、役人の邸宅跡とされる青江遺跡では、過去の調査で国庁から南に延びるメーンストリートとされる幅13メートルの道路跡が確認されている。今回見つかった幅12メートルの道路と直角に交差していたと考えられ、国庁周辺の官庁街が計画的に整備された可能性が高まった。
現地説明会は13日午後1時半から。