プロ将棋の加藤一二三・9段(68)が自宅のある東京都三鷹市の集合住宅で野良猫に餌をやり、ふん尿被害などで周辺住民が迷惑しているとして、同住宅管理組合と住人17人が11日までに、餌やり禁止と慰謝料などを求める訴訟を東京地裁八王子支部に起こした。
訴状によると、加藤さんは1993年ごろから自宅の玄関先で野良猫に餌をやり始め、一時は10数匹が集まることもあった。猫のふん尿で庭の芝が枯れたり、駐車場の車がつめで傷つけられたりする被害が続いていた。
集合住宅の管理規約には、組合員に迷惑や不快感を抱かせる行為をしないよう定める条項があり、加藤さんに対しては2002年ごろから警告や禁止の申し出をしてきたが、受け入れられなかったという。
餌やり禁止をめぐっては調停も行われてきたが不調に終わった。加藤さんは「動物愛護の気持ちで餌やりを続けてきたが、理解してもらえずに残念だ。反論は法廷で明らかにしたい」と話している。