2008年12月11日(木) 22時36分
「白虎」の赤い爪“残っていた” 高松塚古墳 赤外線写真で判明(産経新聞)
高松塚古墳(奈良県明日香村)の国宝壁画で最も劣化が進んでいる「白虎」について、カビなどが原因で消滅したとされていた輪郭線や彩色の一部は、実は消えずに残っていたことが赤外線撮影などの調査で分かり、文化庁が11日、明らかにした。
壁画の下地の漆喰(しっくい)成分が溶け出すなどして壁画を覆っていただけで、除去すれば白虎の姿が現状より明瞭になる可能性も出てきた。
同日、東京文化財研究所(東京都)で開かれた壁画劣化原因調査検討会で、文化庁が報告。
白虎の左足の赤く彩色されたつめの部分は、肉眼観察では2〜3ミリにわたって欠損したようにみえるが、赤外線撮影では、はっきりとした状態で残っていた。
頭部や脚部など十数カ所でも同様の状態が確認されたという。
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文化庁の高杉重夫文化財部長はこの日の同検討会で、「東壁女子群像」の損傷事故について、「国民の大切な文化財を預かっていながら、こういう事態を招き深く反省している。迅速な情報公開に努めたい」と謝罪した。
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