2008年12月10日(水) 00時00分
京大山中教授が米バイオと協力 糖尿病治療の実現狙う(中国新聞)
京都大の山中伸弥教授は九日、米バイオ企業ノボセル社と協力し、人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から、インスリン分泌能力を持つ膵臓の細胞をつくる研究を始めると発表した。
安全な細胞を作製して糖尿病患者に移植することができれば、画期的な治療法につながると期待される。京大がiPS細胞研究で海外企業と提携するのは初めて。山中教授は「互いの技術を融合し、糖尿病治療の可能性を探りたい」と話している。
京大によると、ノボセル社は人の胚性幹細胞(ES細胞)からインスリンを分泌する膵島細胞をつくるのに成功。動物への移植実験で糖尿病の改善効果も確認した。山中教授は最近、iPS細胞の実用化を促進するため、積極的に海外と協力する方針を表明。今回は両者の狙いが一致したと言えそうだ。
ノボセル社は一九九九年設立。本社は米カリフォルニア州。幹細胞を使った慢性疾患の治療法開発や創薬事業を手掛ける。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200812100150.html