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2008年12月10日(水) 21時34分

<USEN>20億円賠償命令 東京地裁毎日新聞

 有線放送業界第2位の「キャンシステム」(東京都新宿区)が、違法な営業で顧客を奪われたとして、最大手の「USEN」(港区)に約113億円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(畠山稔裁判長)は10日、約20億5189万円の支払いを命じた。

 判決によると、USENはキャン社社員の約3割(496人)を一斉に退職させ、USENの営業代理店「日本ネットワークヴィジョン」に移籍させたうえ、03年8月以降、移籍社員らを使ったキャンペーンを展開。キャン社の顧客に限って、契約切り替えを条件に無料サービスなどを提供し、4万8841件の顧客を奪った。

 畠山裁判長は「社員の引き抜きは単なる転職の勧誘を超え違法と言わざるを得ない。引き抜きと相まって行った顧客の奪取で損害を与えた」と指摘した。USENによる顧客奪取を巡っては、公正取引委員会も04年、独占禁止法(私的独占の禁止)違反に当たるとして排除勧告を出している。

 USEN側も違法な営業で顧客を奪われたとしてキャン社に約142億円の賠償を求めていたが、畠山裁判長は請求を棄却した。【銭場裕司】

 ▽USENの話 判決結果は承服しかねる内容で、直ちに控訴する。

 ▽キャンシステムの話 事実関係は主張が認められ納得しているが、請求額と開きがあるので対応を検討したい。

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