振り込め詐欺に使われ凍結された口座から数百万円を送金させたとして、偽造有印私文書行使容疑で逮捕された京都家裁書記官
県警は、広田容疑者が詐欺被害者の救済を目的とした口座公表制度を、犯行に悪用した疑いが強いとみて調べている。
また、広田容疑者が戸籍書類を偽造して成り済ました架空の「
県警によると、送金先の口座開設や、口座凍結を解除し送金を可能にした架空の民事訴訟でも、このアパートの住所が使われていた。部屋は島本町若山台の五階建てアパートの四階で、表札はなく郵便受けにはチラシなどがたまっていた。
広田容疑者は昨年九月、馬場名義で新たに戸籍を作成する「就籍」を京都家裁に申請し認められた。就籍の許可書類には、実在の裁判官の名前とともに、広田容疑者の名前が書記官として記載されていたという。
広田容疑者が、架空の民事訴訟の判決書を使って凍結解除した口座は、埼玉県熊谷市の都市銀行支店に開設された普通口座。凍結時に約四百万円の残高があり、ほぼ全額が引き出されていた。
預保機構によると、金融機関が入出金を凍結した口座は約十万件。ほとんどは残高が少額で、百万円以上残っているケースは少ないという。
預保機構は「振り込め詐欺被害回復分配金支払い法」が六月に施行されたのを受け、振り込め詐欺に利用された疑いのある口座番号や名義人、残高などを七月からホームページで公表している。