2008年12月10日(水) 23時19分
ノーベル平和賞の前フィンランド大統領 オバマ氏に「中東和平を優先課題に」(産経新聞)
【ストックホルム=木村正人】ノーベル平和賞の授賞式が10日、ノルウェーのオスロ市庁舎で行われ、30年以上にわたって世界各地の紛争解決に尽力してきたマルッティ・アハティサーリ前フィンランド大統領(71)に記念メダルと賞金1000万スウェーデンクローナ(約1億1300万円)が贈られた。
同氏はこの日の記念講演で「今、解決すべき最大の紛争は中東問題だ。解決不可能という考えに私は同意しない。どんなに困難に見える紛争にも必ず解決策はある」との信念を述べ、オバマ次期米大統領に対し、中東和平の実現を就任1年目の最優先課題に据えるよう求めた。中東諸国をはじめ、欧州連合(EU)や国連など国際社会の協力と連携があれば問題は解決に向かうはずだと訴えた。
アハティサーリ氏は1994年から2000年までフィンランド大統領を務めた後、紛争解決に当たる非政府組織「危機管理イニシアチブ」(CMI)を設立。これまでインドネシア・アチェ州独立紛争の和平合意をまとめたほか、セルビア南部コソボ自治州の最終的地位をめぐる交渉で国連事務総長特使として調停に当たった。ナミビア、イラク、英領北アイルランドでも紛争解決に力を注いだ。
AP通信によると、前日の記者会見でアハティサーリ氏は「引退も考えたが、友人からしばらく引退できないといわれた」と紛争調停活動を続ける意欲を示した。
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