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2008年12月09日(火) 03時02分

総額20兆円の新経済対策、政府・与党が検討読売新聞

 政府・与党は8日、2008年度からの3年間に15兆〜20兆円の財政支出を投じる新たな経済対策の検討に入った。

 「環境」「物流」「医療」などの分野に重点的に配分し、「全治3年」(麻生首相)とされる回復までの期間中に日本経済の中長期的成長の基盤作りを進める構想だ。

 環境分野では、燃料電池の活用など新エネルギーや省エネルギーの普及を促進する。物流では、羽田空港や港湾の整備など企業の物流コスト引き下げにつながる事業に加え、高速道路建設の前倒しなどを盛り込む。

 患者の「たらい回し」問題を改善するため、診断や応急処置などの初期診療だけを行うER(救急治療室)を整備する。

 8月以降の2回の景気対策が金融危機を受けた緊急避難的な施策が中心だったのに対し、中長期的な内需の拡大や生活者の安心につながる事業を優先する。

 事業規模は今後詰める。10月の追加景気対策の場合、財政支出が5兆円で事業規模は27兆円に上ったことから、今回も大型の経済対策となりそうだ。

 財源は、2次補正予算案の積み増しで賄うほか、09年度当初予算案で、麻生首相が使途を決める「重要課題推進枠」の一部を充てる。政府は今月3日の09年度予算編成の基本方針を決めた際、概算要求基準(シーリング)を維持する一方、別枠で「果断な対応」をとるとしていた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081209-00000002-yom-bus_all