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2008年12月09日(火) 08時03分

【Re:社会部】「即決裁判」の善しあし産経新聞

 万引などの軽微な刑事事件の審理を1日で終える「即決裁判」が始まってから2年以上がたちました。起訴から判決までの期間は、従来の平均2カ月半から原則14日以内に短縮され、裁判は迅速化しています。

 一方、こんなケースもあります。ある男性被告(27)は茨城県内でパチンコ玉約1400個を盗んだとして窃盗罪に問われ、平成18年10月、水戸地裁で懲役1年、執行猶予3年の判決を言い渡されました。同地裁における「即決裁判第1号」でしたが、約1年半後には同種の罪を犯し、再び猶予判決となりました。

 結局、検察側が控訴し東京高裁は1審判決を破棄。懲役1年の実刑判決を下すのですが、関係者によると、被告は「(最初の裁判が)即決裁判で勾留(こうりゅう)が約1カ月と短く、すぐ社会復帰できた」とこぼしたそうです。

 再犯と即決裁判は関係しているのでしょうか。あるベテラン裁判官は「本人の自覚の問題。制度の善しあしではない」と話しますが、この被告の弁護人は「即決裁判を安易に考える被告もいる。勾留期間が短い問題は留意したほうがよい」と指摘しています。この1件だけで即決裁判の功罪を議論するのは、はなはだ乱暴だと思いますが、弁護人の言葉が気になって、頭から離れません。(士)

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