業績が悪化していた米メディア大手トリビューンは8日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したと発表した。米メディアによると、債権者と続けていた債務支払い条件の見直し協議が不調に終わり、近く期限を迎える金利支払いのめどが付かなくなった。負債総額は約130億ドル(約1兆2000億円)。
トリビューンは名門紙シカゴ・トリビューン、ロサンゼルス・タイムズのほか放送局などを抱え、新聞発行部数では米3位の大手。景気後退などを背景に米メディアの経営環境は厳しさを増しているが、本格的なインターネット時代を迎えて以降、主要メディアの経営破たんは初めて。
同社は今後も新聞発行などの業務を継続、債権者と債務カットなどの交渉を進めるとしている。
トリビューンは2007年にシカゴの不動産業者が買収したが、その際に同社の資産を担保に80億ドルを上回る資金を調達したため、負債が膨らみ経営を圧迫していた。
傘下の大リーグ人気チーム「カブス」などの資産売却で返済を進める計画だったが、買い手探しは難航。景気悪化による広告などの売上高の落ち込みも響き、経営が行き詰まった。経営陣の入れ替えは当面行わない。
08年7—9月期決算は売上高が前年同期比10%減、純損益は約1億2200万ドルの赤字だった。(共同)
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