2008年12月09日(火) 16時59分
新ATOKは英語入力を支援、ジャストシステム(@IT)
これからは英語を入力するときにATOKをオフにするのではなく英数キーを押してください——。2009年2月に登場する日本語入力システム「ATOK 2009」は、英単語の予測変換機能や単語レベルでの日英変換機能を搭載する。
ほかの画像
ジャストシステムは12月9日、オフィススイートやワープロソフト、日本語入力システムの最新版、「JUST Suite 2009」、「一太郎2009」、「ATOK 2009」など7製品と関連ツール製品を発表した。2009年2月からパッケージ販売を開始する。発表した製品と価格は以下のとおり。
●バージョン22になったATOKの新テーマ:英語
日本語入力システムのATOKは来年(2009年)で16年目、バージョンは22を数える。2007年以前までは、かな漢字変換精度の向上を機能強化の中心に据えていたが、ATOK 2008以降では、新しい取り組みを続けている。WebサービスのAPIと連携してデータベースやWebサイトから情報を取得、手元の入力アプリケーションにダイレクトに表示する「ATOKダイレクト」が1つ、もう1つが今回新たに搭載した英語入力支援機能「ATOK 4E[for E]」だ。
「ビジネスマンの30%は英語を扱っているというデータがある」(ジャストシステム ATOKビジネスオーナー井内有美氏)という問題意識から、英語の入力時に日本語入力システムをオフにするのではなく、ATOKを使ったまま入力し、補助機能を提供するようした。
英数キーまたはシフトキー+英字入力で英語入力モードに切り替えると、アルファベットを入力するたびに前方一致で推測候補が表示される。例えば「conveni」とまで入れると「convenient、conveniently、convenienceなどを候補として表示。長い単語やスペルのあやふやな単語でも簡単に入力できるという。シフト+タブキーを押すと入力中の単語のスペルチェックも行える。
逆にローマ字を使って日本語を入力すると、候補の英単語を表示する。例えば「bennri(べんり)」で「convenience、convenient」などが表示される。ここでさらにEndキーを押すと、ATOKのプレミアム版に含まれるロングマン英英/英和辞典も参照でき、例文を確認しながら語彙を選択できる。
このほかATOK 2009は主語を入力すると、それに続く動詞を推測して候補を提示する機能も含む。
英語入力支援以外の機能強化としてATOK 2009は、基本的な文節区切りや変換の精度向上、変換辞書の語彙拡充、四字熟語の誤り指摘の強化、文語モードの強化などを行ったという。語彙拡充は、裁判員制度開始を受けて「法壇、評議室、辞退事由、実況見聞調書」などの関連語彙を入れたほか、保険用語、ブログ、動画投稿サイト、ネットオークションに関する用語、「アラフォー、婚活、日馬富士」などのトレンド用語などを追加。また、コーパスからは「フル充電、仮想化技術、通期予想」などの語彙を追加したという。
●一太郎の画面を新たに再設計
一太郎、三四郎など同社のオフィス製品では、新たに画面を再設計。「(画面の中では文字や数字を書き込む)紙が主役。それに必要とされる機能から順番に配置した」(JUST Suiteビジネスオーナー 大野統己氏)といい、これまでのUIを大きく変更した。また、文字飾りの変更では、フォント選択や色の選択操作中に結果を確認できる「リアルタイムプレビュー」の搭載、POP文字機能の強化、画像記号も使える箇条書き機能の強化などを行った。Wordとの互換性も高め、罫線を多用した文書でもレイアウトが崩れにくいという。
表計算ソフトの三四郎では、操作性を改善。キーボードによる数式入力とマウスによる範囲選択の代わりに、マウスだけで操作が完結するよう「数式入力パレット」を搭載した。三四郎のUIは一太郎と共通で新しくデザインされたもので、画面下には表示倍率を任意に変更できるスライダーバーも搭載する。
主要パッケージにはオンラインバックアップサービス「iDiskBackup」の1年限定無償版が付属する。JUST Suite 2009が2GB、一太郎2009/ATOK 2009/花子2009[ATOKセット]がそれぞれ1GBの容量が使える。
【関連記事】
・ATOKがRubyやPerlで拡張可能に (@ITNews)
・Atom端末上のMoblinで動くATOKとWnnが展示 (@ITNews)
・ ATOKを月額300円で提供、ジャストシステム (@ITNews)
・一太郎ファミリー初のプレゼンソフト「Agree 2007」登場 (@ITNews)
・Windows Mobile向けATOK発売へ、ジャストシステム (@ITNews)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081209-00000000-zdn_ait-sci