2008年12月09日(火) 21時47分
<麦チェン>北海道産小麦の消費拡大目指しキャンペーン(毎日新聞)
北海道産小麦の消費拡大を推進しようと、道は来春から「北海道麦(むぎ)チェン」と名付けたキャンペーンを展開することを決めた。国が国産小麦の増産などを柱に、10年後をめどに食料自給率(カロリーベース)を引き上げる方針を示しており、生産、流通団体と一体となって、安心・安全な道産小麦を全国に売り込む。【鈴木勝一、立山清也】
農水省などによると、国内の小麦の自給率はわずか約13%で、このうち約6割を北海道道産が占めている。特に近年は世界的な小麦の消費拡大により輸入価格が高騰しているため、割安感から道産小麦への注目が集まっていた。さらに、食の安心・安全に対する消費者意識の高まりも追い風となり、人気が急上昇している。
こうした中、国内の食料自給率は40%(07年度)にとどまっており、国は(1)小麦の代替品の米粉の増産(2)米作の「裏作」としての小麦の増産−−を柱とする政策を推進し、将来的には50%に引き上げる方針を発表した。
道は国の動きを受け、小麦の増産と消費拡大を目指す。道内で生産されている小麦は年間50万トンを超え、その9割がうどんなどの麺(めん)用だ。しかし、国内の需要量は麺用の約61万トンに対し、パン用が約155万トンに上っている。道はこの需給のミスマッチに注目。パン用としての春まき小麦を増産し、PR展開を検討する。
かつて道は「米(こめ)チェン」というキャンペーンを生産、流通団体などと一体となって実施した。道産米は当時は「厄介道米(やっかいどうまい)」と呼ばれていたが、品種改良の成果もあり消費を全国トップレベルに押し上げた実績がある。今回はそれに続く産業振興策で、当時の経験とノウハウが小麦にも生かされる。
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