記事登録
2008年12月08日(月) 02時50分

他人名義の携帯と口座を多数押収 友梨さん救出詐欺産経新聞

 行方不明になっている大阪府熊取町の吉川友梨さん(14)の救出話を装った詐欺事件で、泉佐野署捜査本部が無職、中谷浩氣(39)と内縁の妻の川上佳代(38)の両容疑者の堺市堺区の自宅マンションから、他人名義の携帯電話約10台と多数の預金通帳を押収したことが7日、わかった。これらの一部が友梨さんの家族から現金を詐取する際に利用されていたという。

  ■写真で見る■送検される容疑者

 捜査本部は同日、詐欺容疑で中谷、川上両容疑者を大阪地検堺支部に送検。中谷容疑者はヤミ金融を営んでいたといい、携帯電話などの入手経路のほか、詐取した7000万円の使途などを追及する。

 関係者によると、中谷容疑者は高級ホテル暮らしからマンションに移り住んだ平成18年春ごろ、堺市堺区の雑居ビル5階でヤミ金融を開業。「木野」という偽名を使い、口コミで生活保護受給者やタクシー運転手らを集め、超高額の利息を取り立てていたという。

 また、借金を免除する代わりとして顧客に携帯電話と銀行口座を求めることもあった。実際に通帳とプリペイド式携帯電話を渡したというタクシー運転手の男性は「中谷容疑者から『客から金を振り込んでもらう通帳や携帯電話がたくさんいるが、事情があって作れない』と頼まれた。代わりに借金の一部を免除してもらった」と証言している。

 しかし、最近はほとんど客はおらず、逮捕される3日前には、知人の運転手に「5000円でいいから貸してくれ」と頼むほど困窮していたという。別の知人男性は「貸金業法の知識があまりなく、本当に金融屋ができるのかと不思議だった。今回の事件を知ってやっと金の出所がわかった」と話していた。

【関連記事】
大阪の友梨さん不明「助けられる」と7000万円詐取 2人を逮捕
1年半、高級ホテルを定宿 大阪の友梨さん事件詐欺
偽造判決文で振り込め口座解除に関与か 家裁書記官を逮捕
「ひどいことしたんだろ」 娘に売春させた母に裁判官が叱責
【幸満ちゃん事件】「覚えていない」核心語らぬ容疑者

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081208-00000506-san-soci