記事登録
2008年12月06日(土) 09時12分

<東金女児遺棄>近所の21歳無職の男を事情聴取、逮捕へ毎日新聞

 千葉県東金市東上宿(ひがしかみじゅく)の路上で9月、同市田間の看護師、成田多恵子さん(38)の次女幸満(ゆきまろ)ちゃん(当時5歳)の遺体が見つかった事件で、県警東金署捜査本部は6日、遺体発見現場近くのマンションに住む21歳の無職の男が事件に関与した疑いを強め、死体遺棄容疑で事情聴取と自宅の家宅捜索を始めた。容疑が固まり次第、逮捕する。

 男は、幸満ちゃんの衣服と靴が二つのレジ袋に入れられて見つかった駐車場があるマンションに住んでいる。捜査関係者によると、これらのレジ袋から検出された指紋の一つが男の指紋と一致したという。レジ袋は近くの商業施設で使われているものだった。

 男は事件当日の行動について事件4日後の9月25日、毎日新聞の取材に「朝9時から午後3〜4時ごろまで図書館にいた。それ以降は自宅でテレビを見たり、借りてきた本を読んだりしていた」と話し、事件との関係を否定していた。

 男は6日午前7時ごろ、任意同行を求めた捜査員に伴われ、自宅マンション前から捜査車両に乗り込み、東金署に入った。捜査本部は男が幸満ちゃんが死亡した経緯についても何らかの事情を知っているとみて追及する。

 幸満ちゃんは母多恵子さんと2人暮らし。これまでの調べで、事件当日の9月21日午前10時ごろ、多恵子さんの勤務先で、多恵子さんの父親が経営する「東金中央クリニック」にいた。その後、多恵子さんに「保育所の友達に会いに行く」と告げて外出。友達がいなかったためクリニックに戻り、午前11時ごろ、事務室で「お母さん、(仕事終わるの)まだ?」と、事務員に問いかけたのを最後に行方がわからなくなった。

 捜査本部は行方不明になった時の衣服などを公開。情報提供を呼びかけるとともに、周辺のコンビニエンスストアなどから提供を受けた防犯カメラの映像を分析。遺体の遺棄現場とレジ袋があった駐車場、多恵子さんの勤務先などが狭い範囲にあり、短時間に事件が起きたことから、現場付近で生活し、周辺の地理に詳しい人物の犯行とみて調べていたところ、目撃証言などから男が浮上した。

 幸満ちゃんの遺体は9月21日午後0時26分ごろ、市道脇の側溝のふたの上に倒れているのを男子中学生(13)が見つけた。衣服は着けておらず、目立った外傷や首を絞められたような跡はなかった。司法解剖の結果、死因は特定できなかったが、口や鼻をふさがれて窒息死したとみられる。【寺田剛、斎川瞳】

【関連ニュース】
東金遺棄事件:「裸の女児運ぶ男」捜査本部に目撃証言
新生児死体遺棄:39歳母親を逮捕 青森署
死体遺棄:兄の遺体放置容疑、弟を逮捕 静岡
死体遺棄:切断遺体は容疑者のバー元同僚 鳥取県警が確認
東金女児遺棄:事件から1カ月 有力物証なく

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081206-00000018-mai-soci