2008年12月06日(土) 14時34分
不明娘思う父につけこむ、6800万円詐取容疑の男女逮捕(読売新聞)
大阪府熊取町で2003年5月、下校途中に行方不明になった吉川友梨(ゆり)さん(14)(当時小学4年生)を捜し出すと偽り、父親(48)から調査費などの名目で金を詐取したとして、大阪府警は6日、堺市堺区の無職中谷浩気容疑者(39)と同居の無職川上佳代容疑者(38)を詐欺容疑で逮捕した。
2人は連れ去った犯人と交渉して友梨さんを保護したと偽り、「精神的に不安定でまだ会えない。治療が必要」などとだまし、04年7月から今年11月の間、約470回にわたり計約6800万円を父親に支払わせていたという。
2人は「金はもらったが、調査はしていた」と否認しているという。府警は、娘の無事を願う心情につけ込んだ悪質な犯行とみて裏付けを急ぐ。
捜査関係者によると、2人は共謀して04年7月、友梨さんの自宅に電話をかけ、応対した父親に「以前、行方不明になった親類を捜し出してくれた人がいる。紹介しましょうか」と持ちかけ、調査費などとして10万円をだまし取った疑い。
2人は、調査を請け負ってしばらくした後、父親に「犯人と交渉をしている」「保護に成功した」とウソをつき、「会わせてほしい」と懇願する父親に、「連れ去りのショックで、心の傷が癒えていない」などとだまし、「交渉費」や「友梨さんの生活費、治療費」などと称して頻繁に金を要求した。
また、父親の携帯電話には「九州のテーマパークに連れてきてもらったよ」という、友梨さんからの偽りのメールが送られた。友梨さんの顔写真が添付されていることもあったが、捜査関係者によると、公開された写真を、ぼかして撮影したとみられるという。
父親は、2人が警察への不信感を巧みにあおっていたため、誰にも相談せず、指定された銀行口座に振り込みを続けていたという。
支払いに窮するようになった先月になって、父親が初めて家族や府警に打ち明け、事件が発覚した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081206-00000028-yom-soci