東京・渋谷駅前で女性2人に刃物で切りつけ負傷させたとして、傷害罪などに問われた無職北川初子被告(79)に東京地裁は4日、「公共の場所での安全に不安感を抱かせる極めて悪質な犯行」として、懲役4年(求刑懲役6年)の実刑判決を言い渡した。
判決理由で秋葉康弘裁判官は、動機について「北川被告は寝泊まりする場所がなくなり、警察の世話になるため大きな事件を起こそうと考えた。不遇な自分と比べ、楽しそうで幸せそうな被害者をねたましく思い、襲った。身勝手であまりに理不尽」と批判した。
検察側は論告で「被告は6月に起きた東京・秋葉原の無差別殺傷事件を参考に通り魔事件を起こした」と指摘していた。
判決によると、北川被告は8月22日夕、果物ナイフで20代女性の左脇腹を1回突き刺して重傷を負わせ、数分後に近くで、別の20代女性の左腕にも切りつけ19日間のけがをさせた。