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2008年12月04日(木) 16時15分

年金記録 2500人調査 半数超で改竄 厚労相発表 職員関与疑い140件産経新聞

 舛添要一厚生労働相は4日の参院厚生労働委員会で、厚生年金記録が改竄(かいざん)された疑いの強い年金受給者に社会保険庁職員が戸別訪問できた約2500人のうち、56%の約1400人が「記録が間違っている」と回答したことを明らかにした。さらに職員の関与が疑われるケースが10%の140件、関与した職員名などが具体的に判明しているケースも25件あった。民主党の蓮舫参院議員の質問に答えた。

 舛添氏は「サンプル調査的なものだが、25件で相当具体的なことまで述べた方がいるのは極めて深刻なことなので、調査を進めたい」と述べた。

 戸別訪問は、社保庁のオンライン記録で、標準報酬月額(月収)引き下げ処理とほぼ同時に厚生年金の脱退処理も行われるなど、改竄の疑いが強い6万9000件のうち、すでに年金を受給している約2万2000人を対象に実施。10月16日から始め、11月9日までに2524人を訪問し、現在も続けている。

 調査の際に記録改竄の有無を確認したところ、1408人が「間違っている」(56%)と指摘した。836人(33%)は「記録は正しい」と答え、280人(11%)は「間違っているのか分からない」と答えた。

 「間違っている」と回答した1408人のうち、記録訂正を希望したのは685人(49%)にとどまり、437人(31%)は記録訂正を希望しなかった。

 舛添氏は「会社の役員などで自ら改竄に関与した人もいるからではないか」との見方を示した。社保庁側の作業の遅れで、実際に記録が訂正された人はいない。

 戸別訪問した2524人のうち、改竄が疑われる時期に会社の事業主だった人が1107人(44%)と最も多く、次いで従業員が795人(31%)、役員が568人(23%)−の順だった。 

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