2008年12月02日(火) 08時02分
内閣支持率30%切る 自民に反麻生連合の兆し(産経新聞)
産経新聞とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査で内閣支持率が急落し、「どちらが首相にふさわしいか」でも、民主党の小沢一郎代表が麻生太郎首相を上回ったことで、政府・与党に1日、衝撃が走った。自民党4役の1人からは政権交代について「だんだんリアリティーが出てきたな」との声が漏れ、首相に批判的な同党議員からは「反麻生連合」をほのめかす発言が飛び出し、党内はきな臭くなってきた。野党側は「内閣はきりもみ状態に入った」(山岡賢次民主党国対委員長)と勢いづいている。
■表でチェック■ 麻生首相の資質の評価
■打つ手なし…
自民党の細田博之幹事長は1日昼、国会内での政府自民党協議で「支持率に一喜一憂しません」と淡々と語った。
「“一喜”したことがありましたっけ?」
出席したある幹部は思わずこう突っ込みを入れたくなったが、努力してその言葉を飲み込んだ。
自民党では「麻生氏では選挙を戦えないと党内の7、8割は思うようになった」(ベテラン)との見方が広がっている。町村派幹部は「しんどい。このままでは(支持率が1ケタになった)森喜朗首相の時と同じになる」と語った。
麻生首相と自民党の細田幹事長、副幹事長らは1日夜、首相公邸で会食したが、首相を激励する場となった。「人間、苦しいときこそ笑顔です」との声が出て、首相も加わりガンバロー3唱を行った。副幹事長の1人は会食後、「もう麻生さんしかいないから、心中するしかないんだよ」と、ぽつりと語った。
公明党も危機感は同じだ。ある幹部は「こんなに下がるとは…。打つ手なしだ」と肩を落とした。
「首相は『百年に一度の非常事態』といいながら、対策に全然なってない」
自民党の渡辺喜美元行革担当相は同日のBS民放番組の収録で、首相のだみ声をまねしながら、首相批判を展開。収録後には「麻生氏でも小沢氏でもない、第3の人がいいとの声が世間では圧倒的だ」「今は『雨後のタケノコ』みたいなテーマごとの集まりだが、大同団結もあり得る」と、党内で“反麻生連合”が結成される可能性を指摘した。
渡辺氏は、首相と距離を置く中川秀直自民党元幹事長らとともに近く「社会保障に関する議員連盟」を旗揚げする。中川氏は同日夜、都内で記者団に「内閣支持率低下を重く受けとめねばならない。足を引っ張るとかではない」と語ったが、党内には中堅・若手と同議連が連携すれば「麻生降ろし」が始まるとの見方がある。
自民若手の後藤田正純衆院議員も同日、BS民放番組で「(新党は)いざとなると選挙区事情もあるが、自民、民主両党や首長などにマグマはたまっている。自民党も新体制と旧体制の綱引きで限界に来たかもしれない。政界再編が総選挙前にあっていいかもしれない」と語った。
■勢いづく野党
「麻生内閣はいつまで持つかね、こんな調子で。そう長く持つとは思えない。とすりゃあ、解散だね」
小沢氏は同日、訪問先の埼玉県熊谷市内で記者団にこう述べ、麻生内閣は近く衆院解散か退陣に追い込まれるとの見方を示した。
さらに、世論調査で麻生首相よりも自身が「首相にふさわしい」との結果が出たことについて「国民の皆さんに期待していただけるっちゅうことは大変ありがたいことで感謝しております」と語った。
民主党の山岡国対委員長は産経新聞などに対して「(選挙の顔になるとの)麻生神話が崩れた。(自民党は)パラシュートで脱出する人たちが年末にかけて出てきて、空中分解寸前になるのでは」と語り、自民党へ揺さぶりをかけた。
【関連記事】
・
麻生内閣支持率、危険水域に 問われる「底力」
・
「首相にふさわしい人物」にも変動が… FNN合同世論調査
・
定額給付金、約8割が「ばらまき」と批判 FNN合同世論調査
・
頼みの「党首力」でも小沢氏逆転 産経・FNN合同世論調査
・
どうなる? 特集「麻生内閣」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081202-00000059-san-pol