2008年12月02日(火) 19時56分
トヨタからF1招待券贈与の在上海総領事館、公用車はトヨタばかり(MyNewsJapan)
昨年、F1チケット4枚、21万円相当をトヨタから受け取った在上海総領事館が、それ以前にも7枚40万円相当のF1招待券を同社からもらっていたことが判明した。6台ある公用車のうち5台、2000万円相当がレクサスなどトヨタ車であることもわかった。
職員の副収入状況が記録された「贈与等報告書」には「利害関係なし」と報告されているが、利害関係の疑い濃厚とみるのが一般国民の感覚だ。入札ではなく随意契約で国民の税金が無駄遣いされている疑いも強い。疑惑をぶつけると外務省は沈黙を決め込み、情報公開法を使わないと回答しない、と言い出した。
昨年10月に上海でF1グランプリが開催された際、特別席での招待券をトヨタ上海事業所から贈与された在上海総領事館職員は、次の4人だ。
・隈丸優次・総領事 6万2000円
・水谷準・領事 3万880円
・田中英治・領事 6万2000円
・竹川誠治・領事 6万2000円
そして、これ以前についても、トヨタや上海市からF1チケットが贈られていたことが、わかった。
◆2004年9月
・ 杉本信行・総領事 4万2330円
・ 矢田重信・領事 2万800円 ※贈与主は上海市
・渡辺隆史・領事 4万2330円
・片江学巳・領事 4万2330円
◆2005年10月
・隈丸優次・総領事 5万6000円
・矢田重信・領事 4万1000円
・遠山茂・領事 5万6000円
・渡辺隆史・領事 5万6000円
◆ 2006年10月
・ 隈丸優次・総領事 5万9000円
2004年から2007年の4年間で、領事館職員が受け取ったF1招待券は合計13枚、金額にして63万円以上。隈丸総領事(現在、在タイ大使館全権公使)は一人で3枚、計17万7000円相当ももらっている。
隈丸氏は総領事時代の今年1月、改修された南京大虐殺記念館(南京市)について、「(展示が)日本人への反感や恨みを抱かせる内容になっているのは残念」と異例の意見を館長に伝えた人物でもある。
上海市分を差し引いて、在上海総領事館職員がトヨタから受け取ったF1招待券は12枚、約61万円相当。トヨタ自動車広報部はこう説明する。
「海外での日本企業の事業活動について領事館の方々に理解していただくことは重要だと考えている。トヨタはF1に2000年から参戦しており、当社の事業活動を理解していただくことの一環としてF1にご招待した」
国家公務員倫理規定では、国家公務員が「利害関係者」から金品を受け取ることを禁止している。外務官僚に「理解」を求めたトヨタと、在上海総領事館職員の間に、本当に利害関係がないのか。
〈在上海総領事館が保有、あるいは使用している公用車すべてについて、台数、車種、契約形態、契約日時、契約金額、契約先を教えてほしい——〉
外務省報道課に尋ねたところ、1ヶ月近くかかって6台ある公用車の内容が判明した。
1・トヨタ・アヴァロン(2001年度購入、約358万円相当)
2・トヨタ・レクサスGS300(2003年度購入、約463万円相当)
3・日産アーバン(2003年度購入、271万円相当)
4・トヨタ・プレヴィア(2004年度購入、約340万円相当)
5・トヨタ・プレヴィア(2004年度購入、369万円相当)
6・トヨタ・プリウス(2006年度購入、約388万円相当)
実に6台中5台までがトヨタだった。約1920万円をトヨタ車の購入に費やしている。
随意契約か、入札か。契約先はどこなのか——詳細をただそうとしたところ、報道課は「…今後のご照会につきましては、情報公開請求手続きに則り行っていただきますよう」と、事実上の取材拒否に転じた。
税金の使途について「情報公開請求」を口実に口を閉ざす外務省。公共調達に関して「情報公開に努められたい」とする財務大臣通達も、外務省には関係ないのか。
(三宅勝久)
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