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2008年11月30日(日) 08時02分

強い真央が帰ってきた!攻めたぶっちぎりV……フィギュアNHK杯スポーツ報知

 ◆フィギュアスケートGPシリーズ第6戦 NHK杯第2日(29日、東京・国立代々木競技場) 女子フリーで、ショートプログラム(SP)首位の浅田真央(18)=中京大中京高=がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決め、今季自己最高の126・49点をマーク。合計191・13点で今季初優勝を飾るとともに4季連続のGPファイナル(12月、韓国・高陽)進出を決めた。同大会の優勝は2季ぶり2度目で、GPシリーズ通算6勝は日本人最多。ライバルの金妍兒(キム・ヨナ、18)=韓国=と対決するファイナルで3季ぶりの優勝を目指す。

 最後のスピンでよろけると、真央は演技後に悔しそうに頭を抱えて天を仰いだ。それでも両手でガッツポーズを作ると、瞳から自然と涙があふれきた。「たくさんの応援がパワーになった。少し不安もあったけど、スケートに入ったら自信を持って跳ぶことができた」。ジャンプの不安と、緊張と重圧。18歳はすべてを乗り越え、地元の日本で今季初めて表彰台の真ん中に立った。

 今季初めて、3回転半を連続ジャンプと単発で2回跳ぶ構成で臨んだ。真央は、シニアデビューした05年12月の全日本選手権(東京)のフリーで世界で初めて3回転半を2回とも成功。フランス杯では1回にとどめたが、バンクーバー五輪を見据え、今季も2回入れることを目指してきて「今大会で跳ぶつもりだった」。この日朝にタラソワ・コーチ(61)に直訴し、2回入れることを決めた。

 最初の3回転半が連続ジャンプの予定だったが、単発で着氷。続く3回転半に2回転トーループをつけて跳んだが、わずかに回転不足になった。国際大会では初めてとなる3回転半の2回成功はできなかったが、フランス杯で失敗した3回転サルコーを成功。2連続3回転の2つ目が抜けた以外はミスなくジャンプをまとめた。「3回転半を2回跳べたのが一番うれしかった」と喜んだ。

 「仮面舞踏会」の旋律に乗って、ジャンプ以外も“パーフェクト”。前日のSPで最低のレベル1をもらったスパイラルはぶれることなく、最後に片手をついたスピンも最高のレベル4をもらった。「目力を強くしようと思って」とアイラインをバッチリ引いた勝負メークで演技。表現力を示す5項目では、女子では異例の8点台が出た。

 今季GP2連勝を飾っている金の今季最高得点(193・45点)には届かなかったが、190点台をマークして同じ土俵に乗った。来月は金の地元で今季初の直接対決に挑む。ファイナルは05年に初出場初優勝を飾ったが、ここ2シーズンは金に王座を譲ってきた。「(金は)ジュニアから一緒に滑っている選手で、たくさん刺激をもらっている。ミスなく確実に決めたい」。3年ぶりのファイナル王座奪還へ。18歳の世界女王が、勢いを持続してアウェーに乗り込む。

 ◆真央とトリプルアクセル ○…初めて成功したのは、14歳で出場した04年11月の全日本ジュニア選手権のフリー。公式大会での成功は、日本女子で3人目の快挙だった。同年12月のジュニアGPファイナルで、国際大会で初成功。05年12月の全日本選手権のフリーでは、世界初の2度のトリプルアクセルを成功させた(国際連盟非公認)。

 ◆美姫もGP進出 ○…GPファイナル進出が当落線上だった安藤美姫(20)=トヨタ自動車=も上位6人に入り、「先に2試合が終わり、待ってる時間が長かったけれど進出が決まってうれしい。韓国ではパワフルで自分らしい演技を100%できるように頑張る」とコメントを発表した。モロゾフ・コーチは「美姫には4回転をやらせるつもり。ここ3年間では調子が一番いい」と、まな弟子に大きな期待を寄せた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081129-00000304-sph-spo