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2008年11月30日(日) 00時13分

OPEC、減産見送りへ 12月に目標引き下げ判断中国新聞

 【カイロ29日共同】石油輸出国機構(OPEC)は二十九日、カイロで緊急会合を開き、原油市況と生産体制について協議した。十月に決めた減産の効果や推移を見極めるため今回は追加減産を見送り、十二月中旬にアルジェリアで開かれる総会で目標生産量引き下げの是非を判断する見通しだ。

 会合の結果は、二十九日午後(日本時間同日夜)に判明する見込み。

 十月の減産決定を受けた現在の目標生産量は日量二千七百三十万バレル(イラクとインドネシアを除く十一カ国)。

 欧米メディアによると、最大産油国サウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は二十九日、「今回の会合は、次回にしっかりした決定をするための準備(会合)だ」と述べた。

 これまで減産を強く主張してきたイランも二十八日、「減産の決定は十二月の総会に先送りになるだろう」(ノーザリ石油相)と態度を軟化。ヘリルOPEC議長らは今回の減産には一貫して慎重姿勢だった。

 原油価格は世界的な景気悪化を背景に急落。ニューヨーク原油先物相場は今月中旬以降、一時終値が一バレル=五〇ドルを割り込んだ。サウジのアブドラ国王はクウェート紙に対し、石油産業への投資を維持するためには七五ドルが適正価格との考えを明らかにした。

 今回の会合は、一部加盟国の強い要求を受け、中東産油国が加盟するアラブ石油輸出国機構(OAPEC)の会合に合わせて、急きょ開催が決まった。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811300133.html