2008年11月30日(日) 21時18分
裁判員候補者に通知続々 「まさか」「面白そう」(産経新聞)
来年5月の裁判員制度開始に向け、最高裁が11月28日に発送した裁判員候補者名簿への記載通知が届き始め、受け取った人から驚きや戸惑いの声が上がっている。「仕事の片手間にやるようなことではない」「書類を読むのが面倒」「面白そう…」。突然訪れた「人を裁く」可能性。重圧からか消極的な意見も多かった。
「ええーっ、まさか自分に来るなんて…」。都内に住むウエブデザイナーの女性(26)は通知を受け取り、思わず声をあげた。
「仕事は休めるのか」「他人の人生を決めることなのに、本業の片手間でやっていいのか…」。その日のうちに不安な気持ちをインターネット上の日記に書き込んだ。
「民事裁判と刑事裁判の違いもよく分からない。テレビのニュース番組のように、単に評論するのとは訳が違う。正直、恐ろしいです」。「守秘義務」という言葉の定義もよく分からないという女性は「周囲に相談できない中、私のひと言で何かが決まると思うと怖い」とため息をついた。
「普段のくじ運も悪い方なので、自分に来るとは思ってもみませんでした」。首都圏に住む70代の女性も戸惑いを隠さない。
ニュースなどを見て、裁判員制度の重要性については知っているつもりだ。しかし、「書類を読むのも面倒だし、家事も大変なんです」。最高裁が「70歳以上の人」の辞退を認めているため、「辞退しようと思っています」と語る。
一方、参加に意欲を示す人も。30日深夜、勤務先から帰宅した都内の会社員の男性(31)は、郵便ポストから大きな封筒が飛び出しているのを見つけた。「最高裁判所」と書かれており、すぐに通知書だと気付いたという。
「ちょうど職場でも話題になっていましたから。普通に生活していたら裁判を傍聴することもないし、面白そうだから行ってみようと思う。ただ、職場がどこまで配慮してくれるのか、心配ですけどね」
一方、ネットの掲示板には、通知を受け取ったという人から、「すごい嫌だ」「性格的に変だと思う自分に裁かれる被告がかわいそう」「(調査票への回答が)面倒くさい」など、裁判員となることに消極的な意見などが書き込まれた。
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