介護現場の担い手不足をテーマにした「介護の大切さと未来を考えるシンポジウム」が29日、広島市中区であった。介護福祉士を養成する専門学校などの定員割れが続出している問題を受け、福祉関係者などでつくる実行委員会の主催。人手不足が深刻化している現場の実情を訴え、介護の将来像を探った。
立命館大の石倉康次教授(人間福祉学)をコーディネーターに迎え、専門学校や高齢者福祉施設の職員、介護サービス利用者たち5人が現状を報告。介護福祉士科の来年度の募集を停止する広島YMCA健康福祉専門学校(中区)の上原千寿子校長は「少子化で大学全入時代を迎える中、生徒は最近2年で4分の1に減った」と深刻さを訴えた。
福祉関係者たち約140人が参加し、「今後は誰が介護の担い手になるのか」「(2009年度からの)介護報酬の引き上げが、職員の賃上げにつながるとは限らない」と不安視する声も上がった。
【写真説明】介護福祉士養成校の定員割れを受け、介護現場の将来像について意見を交わしたシンポジウム