2008年11月30日(日) 08時03分
復活の舞い 真央跳んだ 笑顔輝く フィギュアGP NHK杯(産経新聞)
自然と浅田に笑みがこぼれた。最後の最後でバランスを崩すシーンもあったが、ほぼミスなしの演技。「仮面舞踏会」の調べが止まると、後には万雷の拍手。「きょうは90点です」。いつもは辛めなのに、この日は高い自己採点をつけ、目を潤ませながら、“真央スマイル”をふりまいた。
攻める気持ちは忘れなかった。冒頭でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の単発、コンビネーションを続けて跳んだ。女子では極めて難度が高い技。2つ目は回転不足と判定された。それでも「自信になる」と浅田。何より“挑戦”した自分に満足していた。
11人が演技を終えた段階で優勝に必要な得点は103・01点にすぎない。安全策も取れた。しかし「不安になるといいことがない」と弱気になりそうな自分を奮い立たせた。折れない気持ち、尽きない向上心で4分間を滑りきった。
「SPとフリーで予定したジャンプがすべて跳べてうれしい」と浅田。2週間前のフランス杯でミスを重ねた悪夢は完全に過去のもの。SPでは最低評価のレベル1だったスパイラルもレベル3に修正。課題を確実に消化している。
これでGPファイナルへの切符も手に入れた。同年齢のライバル、金妍児(韓国)と今季初対決を迎える。お互いにバンクーバー五輪の金メダル候補。「このまま調子を落とさずに戦いたい」。世界女王が母国で上昇気流に乗った。(榊輝朗)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081130-00000049-san-spo