2008年11月29日(土) 22時01分
ムンバイ同時テロ 最後まで抵抗…過激派3人を殺害(産経新聞)
【ムンバイ(インド)=宮野弘之】インド西部の拠点都市ムンバイの同時テロ事件で、インドの治安部隊は29日、犯行グループが最後まで抵抗していたタージマハルホテルで鎮圧作戦を実行し、イスラム過激派3人を殺害して制圧した。警察当局は「戦闘作戦の終了」を宣言、治安部隊はなお、ホテル内で生存者や爆発物の捜索を続けているが、過激派の抵抗はなく、事件は約60時間ぶりにほぼ終結した。
フランス通信(AFP)によると、犠牲者は外国人22人を含む195人に達しており、捜査当局は国際テロ組織アルカーイダとの関連も含め、犯人像特定に向けた捜査を本格化させた。
一方、武装勢力の銃撃で死亡した三井丸紅液化ガス関東支店課長、津田尚志さん(38)の遺体が29日夕、シンガポール経由の空路で成田空港に到着した。
インド警察当局によると、テロ実行犯は10人で、うち9人を鎮圧作戦で殺害し、パキスタン人とみられる1人を拘束した。実行犯にはアルカーイダにつながるパキスタンのイスラム過激派「ラシュカレトイバ」のメンバーも含まれる。
インドのシン首相はパキスタンなど周辺国に対し、対テロ対策の一層の強化を要求しており、パキスタンも事件捜査に全面協力するとしている。
現地紙などによると、実行犯の一部は犯行の数週間前からタージマハルホテルに料理人として働いたり、ホテルに宿泊して事実上の“テロ指揮所”を開設していたりしたほか、マレーシア人学生と偽って市内に部屋を借り、武器や爆発物の備蓄もしていたという。
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