2008年11月28日(金) 08時04分
延長国会で自民、「マルチ」で民主に反撃 (産経新聞)
■法案審議、追及“もろ刃の剣”
国会の会期延長を機に、防戦一方だった自民党が民主党に強烈な反撃をもくろんでいる。消費者庁設置法案の審議入りを持ちかけ、マルチ商法の業者と、民主党や同党の山岡賢次国対委員長ら小沢一郎代表に近い議員との関係を追及する作戦だ。第一弾として、週明けに、自民党マルチ疑惑追及プロジェクトチーム(PT)が中間報告を発表する。ただ、マルチ問題では野田聖子・消費者行政担当相ら自民党内にも関係する議員がおり、同党がどこまで腰を据えて追及できるか不透明な部分もある。
「会期は25日まで延ばすからな。マルチ問題をしっかり頑張ってくれ!」
27日午後、国会内の自民党国対委員会室。中間報告書の文案を詰めていたPTのメンバーのところへ大島理森国対委員長が河村建夫官房長官と一緒に現れ、こう激励した。
PTがこの日ほぼまとめた中間報告書案には、民主党自体が平成15年から20年にかけてマルチ業者関連団体「ネットワークビジネス推進政治連盟」などから、パーティー券購入名目などで総額570万円分を受け取っていたことが記載された。小沢代表に近い民主党議員5人の政治団体がこの5年間に講演料などで1人あたり最大1807万円、総額約4197万円を受け取ったことも明記された。
5人の実名は伏せ、「C」「D」と匿名扱いにしたが、「添付の資料と照合すれば山岡国対委員長らだと推測できる」(自民党関係者)仕掛けだ。
報告書では野田担当相が11年にマルチ関連の日本アムウェイから約16万円の政治献金を受け取ったことも記載した。
中間報告の発表は当初、28日だったが「党首討論とぶつかって目立たない」(自民党の脇雅史参院国対筆頭副委員長)ことから週明けに変更された。自民党は報告書で民主党を揺さぶり、衆院で消費者庁設置法案を審議入りさせ、追及する構えだ。
ただ、消費者庁の担当閣僚は野田氏。民主党が同庁設置法案の審議に応じた場合、麻生太郎首相の任命責任を追及するのは確実で「疑惑追及はもろ刃の剣」(自民党幹部)になるかもしれない。PTは当初、一部週刊誌が報じた首相の政治団体へのマルチ関係団体の献金について報告書で言及する方針だったが、27日の会合で「事実関係がはっきりしない」との声が出て、言及を見送った。
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