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2008年11月27日(木) 17時03分

裁判員制度:「参加可能」8割、「2日以内」が33%−−高松地裁調査 /香川毎日新聞

 ◇高松地裁「よい結果」と評価
 来年5月に始まる裁判員制度で、制度参加にどのような障害があるか調べるため、高松地裁は聞き取りとアンケート調査を実施。26日結果を発表した。裁判員に選ばれた場合、「時期にかかわらず参加可能」と「時期によっては参加可能」と答えた人が約8割を占め、同地裁は「よい結果が出た」と評価している。同地裁は、制度開始後、裁判員選任の際の資料として活用する。【吉田卓矢】
 調査は企業・団体約170社に対して昨年5月から今年7月の間、実施。うち中小企業約80社、計約400人にアンケートも行い、39社、199人から回答があった。その結果、「裁判員として刑事裁判に参加できますか」の問いに、「時期に関係なく参加できる」が35・2%、「時期によっては参加できない」が48・2%。後者は「時期によっては参加できる」とよめることから、2回答を合わせた83・4%は「参加できる」との態度だった。
 またどの程度の期間ならば参加可能かの問いには「2日以内」33・1%▽「3日以内」32・5%などのほか、「5日超」が22・9%あり、同地裁は「予想外に多かった」と話している。
 ◆季節的な変動
 参加困難な時期としては、年末と年度末、年度初めを挙げる回答が多かった。種付けや収穫時などで多忙な農業、夏休み講習などで忙しい学習塾や予備校など——業種によって、特徴があった。
 ◆職による困難さ
 企業規模でみると、規模が小さいほど、特殊技能を持つ従業員の代替が利かず、参加しにくい環境にあった。
 同地裁では今月19日、佐藤武彦所長ら3人が小豆島の企業を訪問。しょうゆ等製造会社、マルキン忠勇では「もろみを絞る作業は24時間を3交代で回しており、仕事を休ませにくい」としていた。建設業では、建設業法で定められた現場監督が3日連続の参加は厳しいとの声もあったという。
 ◆地理的な問題
 地理的に当日参加が困難な場合も調査。午前9時半から午後5時の参加とした場合、電車では、県西端の箕浦駅(観音寺市)では間に合うが、山間部の一部では日帰りは困難な場合もあるという。24島の有人島のうち9島では、始発便に乗船しても間に合わず、日帰りも厳しいという。
 日帰りが無理な場合、裁判員法と裁判員規則により、香川県では1泊7800円が支給される。同地裁は、「候補者から照会があれば、周辺の宿泊先を幾つか知らせるといった対応はできるようにしたい」としている。
 同地裁は、今後も制度への理解を求めて、企業などを回るという。

11月27日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081127-00000206-mailo-l37