ローマ法王庁がカトリック信仰の模範となる信者をたたえ、最高位の聖人に次ぐ福者の位を授ける「列福式」が二十四日、国内では初めて長崎市で開催された。
福者となったのは、天正遣欧少年使節の一人だった
式典で
百八十八人はいずれも一六〇三—三九年に殉教した一—八十歳の人々。九州各地のほか、米沢(山形)や江戸、京都、大坂、広島、山口などで処刑された人々も含まれる。うち女性は六十六人。
長崎での開催は、一九八一年に来日した前ローマ法王のヨハネ・パウロ二世が、当時の長崎大司教に「日本は殉教者の国であり、彼らを顕彰するように」と述べたのがきっかけ。日本のカトリック司教団が準備を進め、現法王ベネディクト十六世が昨年六月に列福を決めた。
日本には過去に四十二人の聖人と二百五人の福者がおり、いずれもバチカン主導で選ばれてきたが、日本の教団が主導した列福は初めて。
会場となった長崎市の浦上地区は四五年八月、上空で原子爆弾がさく裂。信者の約七割が亡くなったとされる。
カトリック中央協議会によると、日本のカトリック信者は約四十五万人。プロテスタントと合わせても人口の1%に満たないが、キリスト教は世界に約二十億人の信者がおり世界最大の宗教とされる。
【写真説明】長崎県営野球場で開催された、ペトロ岐部ら殉教者188人の列福式=24日午後、長崎市