2008年11月24日(月) 22時02分
開城観光と南北陸路往来 北朝鮮が中断(産経新聞)
【ソウル=水沼啓子】北朝鮮は24日、韓国人観光客による北朝鮮南部、開城への観光と南北の貨物列車運行を12月1日から中断、さらに今月末までに開城工業団地に常駐する韓国側職員らを半減させる方針を韓国側に伝えた。北側の通告を受け、韓国統一省の報道官は「大変遺憾だ。北朝鮮がこの措置を撤回することを強く求める」とする声明を発表した。
北朝鮮側は韓国の李明博政権の対北政策に反発し、今月12日、「12月1日から軍事境界線を通じたすべての陸路を厳格に制限、遮断する」と警告。今回その具体的な措置に言及し、改めて韓国政府に圧力を加えた形だ。
ただ、開城工業団地について、北朝鮮側は「中小企業の厳しい状況に考慮して、工業団地での企業活動を特例的に保障することにした」とし、運営は継続される見通しだ。
北朝鮮の朝鮮中央通信は24日、李政権を「依然として反民族的、反統一的な対決騒動に熱を上げている」と重ねて非難。北側は、今回の措置を「第一次」と強調しており、今後、もっと強硬な措置を取る可能性も示唆している。
今年2月に対北強硬姿勢の李政権が発足後、急速に南北関係が悪化。7月に北朝鮮の観光地、金剛山で韓国人女性観光客が射殺された事件を受けて、金剛山観光事業も中断したままだ。 開城観光や南北間の貨物列車運行は、盧武鉉前政権末期の2007年12月から実施。開城観光は日帰りのバスツアーで人気があった。56年ぶりの南北間の貨物列車運行は南北融和の象徴的な意味合いが強く、積み荷がほとんどない「空運行」が常態化しており、韓国のマスコミで問題視されていた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081124-00000553-san-int