2008年11月23日(日) 22時43分
<元次官宅襲撃>識者に聞く 本島等さん(元長崎市長)(毎日新聞)
▽元長崎市長の本島等(もとしま・ひとし)さんに聞く
07年に長崎市長が暴力団幹部に射殺された事件の時もそうだったが、こうした事件が起きる度にコメントを求められ、正直戸惑っている。もっともらしい説明はそもそも無理だし、事件から学ぶべき教訓も見つけられず、「また起きるのでは」との不安が残り続けるからだ。
私は長崎市長として「天皇の戦争責任はあると思う」と発言し、90年に右翼団体幹部の男に撃たれて重傷を負った。今回は動機や背景が分からないが、本人だけでなく家族まで標的にする乱暴で卑劣な事件だ。私も自分が狙われるのはある程度納得できたが、家族も狙われていたら、とても信念を貫けなかった。
二つの社会の変化が気になっている。一つ目は衝撃的な事件が続き、反応が鈍くなっているということ。二つ目に話し合いを大切にし、暴力を否定する社会の力が弱くなっていることだ。
こうした変化は01年の米同時多発テロ以降、顕著になっているのではないか。いかなる理由があろうとも暴力は許されない。市民も政治家も行政も、超然として対決する心構えが大事なのに、そうした機運が盛り上がってこないことに一層の不安を感じる。
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