【リマ22日共同=山口順治】ペルーの首都リマで開催中のアジア太平洋経済協力会議(APEC)は、二十二日午後(日本時間二十三日未明)、麻生太郎首相らが出席して二日間の首脳会議が始まる。
焦点となっている世界貿易機関(WTO)新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)については、初日の討議を受けてとりまとめる特別声明で、年内の細目合意に向けた極めて強い決意を示す文言を盛り込む見通しだ。「合意に向け努力」とした先週末の緊急首脳会合(金融サミット)の声明よりさらに踏み込む。
金融危機の影響で台頭しかねない自国産業を優先する保護主義への対抗策としては、金融サミットでの声明と同様に「今後十二カ月間に投資やモノ・サービスの貿易に新たな障壁、輸出制限を課さない」と明記する方向だ。特別声明は金融危機への対応などを協議する初日の二十二日に採択する予定。
金融サミット、APEC閣僚会議に続きWTOの早期妥結に向けた強い意思を示し、週末にもジュネーブで開かれるWTOの高級事務レベル協議での議論の進展を促す。
金融危機への対応では、参加するすべての国・地域で成長が鈍化する懸念を共有。国内総生産(GDP)の合計が全世界の約六割を占めるAPEC地域の成長維持が、世界経済を下支えする上で不可欠なことも確認する。
最終日の二十三日は、地球温暖化問題やアジア太平洋地域での経済統合の可能性などについて討議し、首脳宣言をまとめる。