2008年11月23日(日) 22時35分
安堵の一方、理不尽との声 さいたま、東京の住宅街(中国新聞)
「少し安心」「動機が理解できない」—。小泉毅容疑者(46)の出頭から一夜明けた二十三日、元厚生次官らが殺傷された現場となったさいたま市南区と東京都中野区の住宅街では、安堵の一方で犯行の理不尽さを訴える声も上がった。
二カ所の現場には今も規制線が張られ警察官の姿が目立つが、近所では子どもの遊ぶ姿も。
吉原健二さん(76)の妻靖子さん(72)が刺された中野区の自宅近くの公園。事件後、初めて一歳の長男を連れてきた主婦(31)は「ここに来るのをためらっていたけど少し安心できた」とほっとした様子。
周辺を頻繁に通るという宅配便の運転手(34)は「お客さんに警戒され、配達に時間がかかるようになった。容疑者が逮捕されても変わらないと思う」と話した。
山口剛彦さん(66)夫妻が自宅で刺殺されたさいたま市の現場近くに住む自営業鈴木政吉さん(76)は「精神的な不安や不満が爆発する人が増えているのだろう。単純に事件が解決しそうだと喜ぶわけにはいかない」と暗い表情。
山口さんの妻美知子さん(61)と同じ旅行サークルに入っていた主婦(77)は、小泉容疑者が「保健所にペットを殺され腹が立った」と動機めいた供述をしていることについて「そんなことでは夫妻は浮かばれない」と声を詰まらせた。
【写真説明】小泉容疑者の自宅(右上)の家宅捜索で押収物を運び出す警視庁の捜査員(さいたま市北区)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811230276.html