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2008年11月23日(日) 21時39分

小泉容疑者、元次官ら殺傷の関与認める 自宅も捜索中国新聞

 元厚生次官ら連続殺傷事件を捜査している警視庁は二十三日未明、銃刀法違反(携帯)の疑いで、「事務次官を殺した」と言って同庁本部に出頭したさいたま市北区東大成町、無職小泉毅こいずみ・たけし容疑者(46)を逮捕した。さいたま市と東京都中野区の連続殺傷事件への関与を認め、血の付いたナイフを持っており、警視庁は同事件でも容疑者とみて捜査する。

 警視庁と埼玉県警は二十三日午前から、中野区の元次官吉原健二よしはら・けんじさん(76)の妻靖子やすこさん(72)に対する殺人未遂容疑で、小泉容疑者の自宅を家宅捜索。小泉容疑者が所持していたスニーカーの靴底が、吉原さん宅周辺の足跡とほぼ一致した。

 警視庁によると、小泉容疑者は二十二日午後九時二十分ごろ、東京・霞が関の警視庁本部正面玄関に車で出頭。警視庁は二十三日午前二時四十五分、任意同行した麹町署で逮捕した。小泉容疑者は「昔、保健所にペットを殺され腹が立った」などと話したという。

 逮捕容疑は、警視庁に乗り付けた車の中で、刃渡り約二十センチの血の付いたナイフ一本を携帯した疑い。小泉容疑者は「自分のものに間違いない」と供述。警視庁はこのナイフが連続殺傷に使われたとみて、血痕の鑑定を急いでいる。

 ナイフは後部座席の足元の巾着袋に入れられ、片刃で柄の部分まで血が付着。車内からは血の付いた手袋やサバイバルナイフのほか、複数の段ボール箱やスニーカーなどが見つかった。

 小泉容疑者は柳井市出身。地元の小中高校を経て佐賀県の大学に進んだ。父親(77)によると、東京、横浜、山口県内で働いた後、約十年前から埼玉県に居住。宅配便のアルバイトの経験もある。小学校時代に飼い犬が保健所で処分されたことがあったという。

 連続殺傷事件は十八日午前、山口剛彦やまぐち・たけひこさん(66)夫妻が自宅で刺殺されているのが見つかり、同日夜、吉原さん宅で靖子さんが刺され、重傷を負った。宅配便を装う手口などが共通しており、警察当局は同一犯の疑いが強いとみていた。

【写真説明】<上>銃刀法違反容疑で逮捕され、東京・麹町署から警視庁に移される小泉毅容疑者(中央)=23日午前4時3分
<下>小泉容疑者の自宅を捜索する警視庁の捜査員=23日午前10時36分、さいたま市北区

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811230235.html