2008年11月23日(日) 18時19分
「理解できない動機」 首ひねる歴代次官(中国新聞)
正直に言って理解できない—。「次官を殺した」と警視庁に出頭し、銃刀法違反(携帯)容疑で逮捕された小泉毅容疑者(46)の供述を報道で知った歴代の元厚生、厚生労働事務次官らは、残虐な犯行とのギャップに首をひねった。事件後は警備が強化されたが、「全容が解明されるまで安心できない」という声も相次ぐ。
前厚労次官の辻哲夫さん(61)は、ペットを保健所に殺されたことが犯行動機というニュースを見て、「あれほど冷酷な事件にどうつながるのか。正直に言って理解できない」と戸惑いを隠さない。「全容が解明されるまでコメントしようがなく、安心もできない」と述べた。
一九九〇—九二年に厚生次官だった坂本龍彦さん(75)も「犯行に結び付く動機とは思えない。まったく不可解」。事件後、自宅前を警察官が警備する日が続く。「まだ今の段階では落ち着かない。警戒を緩めるわけにはいかない」と語った。
二〇〇一—〇二年に初代厚生労働事務次官を務めた近藤純五郎さん(65)は「保健所は厚生労働省が直接管轄するのではなく、都道府県や政令市が設置する。とんでもない誤解だ」と指摘。「警察や宅配業者に迷惑がかかっている。思ったより早く解決しそうな見通しで、その点はよかったと感じる」と話した。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811230226.html