来年度以降の全国学力テストで学校別成績などを原則開示することを決めている鳥取県教育委員会は二十二日、開示を受けた請求者に、データを使う際、学校が特定されないよう配慮を求める項目を盛り込んだ県条例改正案をまとめ、
「開示を受けた者の責務」の項目を設け、不特定多数に提供しないよう求めるなどの案を検討していたが、県情報公開審議会や市民団体の批判を受けて制限を緩和した。
鳥取県弁護士会も、報道機関が報道を控えるなど情報公開の流れが後退するとして反対する声明を出していた。
委員会では、六人の委員のうち一人が「知る権利や表現の自由を制限する」と最後まで反対。ほかの委員は「教育的配慮の必要性を明記すべきだ」と改正案に賛成した。このため、反対意見も付記することで合意した。
平井知事は同日、「できるだけ尊重して県議会に提案する」と述べた。
改正案は二十六日に県議会で提案される見通し。議員から既に「公表制限は違憲」と反対する声も出ており、成立までには曲折が予想される。
県教委は八月、県情報公開審議会の答申を覆し、二〇〇七、〇八年度分の非開示を決めたが、県条例に従えば開示せざるを得ないと判断。条件付き開示に方針転換した。