元厚生次官ら連続殺傷事件で、東京都中野区の
同じ道路上では、事件前日と直前にも、黒っぽいワンボックスカーが止まっていたとの情報が二件ある。犯人が徒歩で逃走した方向で、警視庁は、犯人が下見をして逃走用に車を止めていた可能性もあるとみている。三件の目撃情報があったのは吉原さん宅から続いていた血痕が途切れた付近。警察犬もほぼ同じ地点で犯人のにおいを追跡できなくなった。
一方、さいたま市の
吉原さん宅周辺の目撃者(48)によると、男の乗った車を見たのは事件当日の十八日午前十一時二十分ごろから十一時半ごろ。現場は住宅街の一方通行の道路で、目撃者は「道幅が狭いところに邪魔だと思った。普段は見かけない車だった」と話している。
ほぼ同じ地点で事件前日の十七日午後一時半ごろにも車が目撃され、さらに三十メートル南では、犯行時間の約一時間前となる十八日午後五時—五時半ごろに不審な車が目撃されていた。
靖子さんは警視庁の聴取に「犯人は野球帽か作業帽をかぶり、年齢は三十—四十歳ぐらい。顔は覚えていない」と証言している。
一方、埼玉県警によると、山口さん宅に残されていた足跡と一致する中国製の靴底は大量生産され、四種類の靴ひもタイプのスニーカーに加工されている。室内の土足跡は鮮明で、県警が割り出した靴底と模様が一致した。同じ製品は全国に流通している。
また、山口さん宅のインターホンや玄関のドアノブなどから、犯人のものとみられる指紋は採取されなかった。県警は犯人が手袋をしていた可能性もあるとみている。