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2008年11月22日(土) 02時30分

<政府税調>消費増税、具体像なし 09年度原案毎日新聞

 政府税制調査会(首相の諮問機関、香西泰会長)は21日の会合で、09年度税制改正答申の原案を固めた。焦点の消費税率引き上げについては「社会保障財源の中核を担うふさわしい」とした08年度答申の表現をほぼ踏襲。社会保障制度維持に向けて消費税増税の必要性を改めて打ち出す。ただ、消費税の引き上げ時期や幅は明記せず、消費税増税の具体化は政府・与党が年末までにまとめる税制改革の「中期プログラム」に委ねる。

 一方、企業関連税制では、日本企業の国際競争力の維持の観点から「諸外国に比べて高い法人税の実効税率の引き下げなどの対応が重要」と指摘。日本企業の海外子会社が稼いだ利益を日本に還流しやすくするため、海外子会社から受け取った配当利益を非課税にする海外利益還元税制の導入を提言する。

 現行の法人税制では、日本企業が海外現地法人などを通じて得た所得を日本に戻す場合、40%の法人税が科される。このため、利益の多くが海外に滞留している。製造業を中心に日本企業の海外売上高比率が5割に迫る中、企業が海外利益を国内投資に振り向けやすくする制度整備の必要性を指摘する。

 このほか、相続税の課税方式を、相続人ごとの受領額に応じて課税額を決める「遺産取得課税」方式に変えるよう求める。中小企業の後継者の相続税を優遇する「事業承継税制」が10月から始まったことを踏まえ、遺産総額に課税する現行方式では後継者以外の親族まで税負担が軽減される恐れがあるためだ。政府税調は28日に正式に答申を取りまとめ、麻生太郎首相に提出する。【赤間清広】

◆09年度税制改正答申の骨子◆

・社会保障財源として消費税率引き上げを検討。時期や幅は明示せず

・海外子会社からの配当利益を非課税化

・相続税の課税方式変更を検討

・道路特定財源の一般財源化を評価。暫定税率は維持

・納税者番号制度の導入を目指す

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