『法律なんて全く分からず、裁判所にさえ行ったことがありません。刑を下すのも重荷なのですが、審理についていけるでしょうか。』
法律のことは全く知らなくても良いのです。むしろ法律の素人だから裁判員に選任されると考えた方がいいでしょう。
裁判員は、裁判官といっしょに評議に参加し、そこで刑を下す作業をします。評議で裁判員は意見を述べなければならないのですが、そこで求められるのは、市民の「社会常識」です。
もちろん、裁判とは法によって人を裁く手続きですから、裁判のルールや必要最小限の法律を知る必要が出てきます。しかし、裁判員法では、そうしたときには裁判長が丁寧に説明し、裁判員に評議を分かりやすくするよう配慮しなければならないとしています。
裁判員になられたら、自信を持って自分の意見を述べてください。
(札幌弁護士会弁護士 中山博之)