経営危機に陥っている米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の複数の取締役が、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用申請を含めたすべての選択肢を検討する意向を示していると、21日の米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が報じた。
GMが期待する米政府資金による支援の実現が行き詰まっている事情が背景にあるとみられる。
GMのワゴナー会長は米議会の公聴会で破産法の適用申請が「現実的な選択肢ではない」と証言。これまでも申請は検討しない姿勢を示してきたが、ワゴナー氏を支持した取締役会も一枚岩でないとみられ、今後の経営判断に影響を与える可能性がありそうだ。
同紙によると、政府支援の実現を最優先に目指す方向では一致しているが、一部の社外取締役らは破産法適用の申請も除外していない。GM側は取締役会が申請について議論したことは認めているという。
GMは経営破たんにより米経済に深刻な影響が及ぶと強調。政府支援をめぐる議会の検討は12月に先送りとなった。
◆米連邦破産法11条 米連邦破産法が定める再建型の倒産手続き。日本の民事再生法に相当する。適用を申請した企業が再建計画を策定し、債権者と協議しながら経営を立て直す。民事再生法と異なり、資金繰り難などの事情がなくても申請が可能で、再建にかかる時間は比較的短くて済むとされる。今年9月に証券大手リーマン・ブラザーズが適用を申請し経営破たんしたほか、2001年にエネルギー大手エンロン、02年にユナイテッド航空の持ち株会社も適用申請した。(共同)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081122-OHT1T00170.htm