元厚生次官宅襲撃事件で、22日午後9時35分ごろ、東京都千代田区の警視庁に、「元次官を刺した」と話す男が出頭してきた。
男は自称46歳で、「コイズミツヨシ」と名乗っており、血の付いたバッグや同じく血の付いたナイフを車内に持っていた。
同庁は、銃刀法違反容疑で、男の身柄を麹町署に移し、事情を聞いている。
捜査幹部によると、男は警視庁の当直に「事務次官を殺してきた」と話したという。乗り付けた車はえんじ色の軽自動車で、川越ナンバーのレンタカー。
この事件を巡っては18日午後6時30分ごろ、東京都中野区の元次官・吉原健二さん(76)宅の玄関で、妻の靖子さんが宅配業者を装った犯人の男に襲われた。靖子さんは胸と背中を数か所刺されるなど重傷を負った。靖子さんの証言では、男は年齢30〜40歳で、身長165センチ程度。捜査関係者によると、出頭してきた男の背格好も、靖子さんの証言とほぼ一致しているという。
18日午前には、さいたま市南区で、同じく元次官の山口剛彦さん(66)と妻美知子さん(61)が自宅玄関で殺害されているのが、近くに住む親類に発見された。埼玉県警の調べで、山口さん夫婦は17日夕、夕食前に自宅で襲われたとみられている。
二つの事件は、宅配便業者に変装していた点や刃物を使用した点など、類似点が多く、埼玉県警、警視庁では共同捜査本部を設置して犯人の行方を追っていた。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081118-5344510/news/20081122-OYT1T00762.htm