元厚生次官宅襲撃事件で、東京都中野区の吉原健二さん(76)の妻靖子さん(72)が襲われた自宅内を警視庁が検証した結果、靖子さんの血痕が残っていたのとは別の場所で、犯人のものとみられるスニーカーの足跡が確認されたことがわかった。
さいたま市の山口剛彦さん(66)夫妻が殺害された事件では、犯人が室内で誰かを探したような形跡があったが、同庁はこの事件と同様、犯人が靖子さんを襲った後、健二さんを探し回った可能性があるとみている。
同庁幹部によると、吉原さん宅では玄関から廊下にかけ、犯人に刺された靖子さんが逃げた際に落ちたとみられる血痕が点々と残り、それを追うようにスニーカーの足跡が続いていた。1階の廊下やリビング、ダイニングからも血痕や足跡が見つかったが、2階に続く階段にはなかった。
同庁が、こうした血痕と足跡の位置関係を調べたところ、靖子さんが逃げたのとは異なる方向に足跡が向かっている場所があり、犯人と靖子さんが一時的に離れていたことがわかった。
靖子さんの証言では、犯人に玄関先で襲われて室内に逃げ込み、犯人が玄関から立ち去るまで数分足らずで、室内には紙幣を含む現金入りの財布が残っていた。このため、同庁は、犯人が金目の物を物色したのではなく、健二さんがいるかどうか確かめようとした可能性があるとみている。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081118-5344510/news/20081122-OYT1T00070.htm