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2008年11月22日(土) 22時25分

軽自動車の男「次官刺した」と警視庁に 連続殺傷との関連捜査産経新聞

 元厚生次官ら連続殺傷事件で、22日午後9時35分ごろ、男が東京都千代田区霞が関の警視庁本部に「自分が次官を刺した」と出頭した。庁舎の警備に当たっていた機動隊員が身柄を確保。麹町署で銃刀法違反容疑で事情を聴くとともに、事件との関連を慎重に調べている。

【写真で見る】「元厚生次官宅連続襲撃」

 警視庁の調べでは、出頭してきた男は、さいたま市北区に住む小泉毅(46)と名乗っているという。男は川越ナンバーのピンクのレンタカーで本部に乗りつけた。助手席にあった黒のバッグから血の付いたナイフが見つかったほか、後部座席には段ボール箱が2個置かれていた。

 ほかにサバイバルナイフ数本とスニーカーも所持していた。

 身長は165センチ。さいたま市にある住民票を所持しているという。

 元厚生次官ら連続殺傷事件は、18日午前10時15分ごろ、さいたま市南区の山口剛彦さん(66)夫妻が自宅玄関で血まみれで倒れて死亡しているのが見つかり、発覚した。

 山口さんは心臓や右脇腹など6カ所、妻の美知子さん(61)は胸など2カ所を刺されて死亡していた。山口さん夫妻の携帯電話の発着信履歴が17日午後5時51分で、自宅ダイニングテーブルに夕食が並べられ、山口さんの胃の残留物がほとんどないことから、同日夕ごろに襲われたとみられる。

 山口さん夫妻発見から約8時間後の午後6時半ごろには東京都中野区の吉原健二さん(76)宅で、妻の靖子さん(72)が宅配業者を装った男に刃物で刺され、自宅前で倒れているところを通行中の専門学校生(27)に発見された。

 靖子さんは胸や背中の右部分など数カ所を刺されて重傷。犯人の男の特徴について「30〜40歳ぐらいで、身長約165センチ。野球帽か作業帽姿で作業着の上下姿。体が隠れる大きさの段ボール箱を持っていた」と証言している。男はインターホン越しに「宅配便です」と呼び掛け、靖子さんがドアを開けた直後、無言で刺したという。

 吉原さんはクラス会に出席しいて不在だった。

 山口さんは平成11年、吉原さんは平成2年に厚生次官を退官。昭和60年前後には上司と部下の関係で基礎年金制度の創設に尽力している。

 警視庁と埼玉県警は元厚生次官2人の家族を狙った連続テロとみて捜査。山口さん宅と吉原さん宅から血痕や土足で上がり込んだ跡が多数見つかり、靴底の模様などから犯人がスニーカーを履いていたことがわかっている。凶器はいずれの現場も見つかっていない。

 2つの現場では犯行時間前後に黒っぽい車の目撃情報などが寄せられており、警視庁と埼玉県警も男が車で逃走していたとみて、特定を急いでいた。


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