政府は二十二日、中央省庁幹部人事を一元管理する「内閣人事局」について、目標としていた来年度設置を見送る方針を固めた。人事院の企画、総務省の人事両部門などを内閣人事局に統合すべきだとする有識者会議と各省庁との調整が進んでおらず、十二月の来年度予算案編成作業に間に合わないと判断した。
政府は人事局創設後のスケジュールも示した「工程表」は本年度中に閣議決定する方針。ただ、公務員改革の目玉である内閣人事局設置の遅れは、改革全体にもマイナスの影響を与えそうだ。
内閣人事局については、政府の有識者会議「国家公務員制度改革推進本部顧問会議」(座長・御手洗冨士夫日本経団連会長)が規模や人員構成など具体案を検討していたが、福田内閣退陣のあおりを受け作業が停滞。このため麻生政権発足後に本格的な検討作業に入ったのは十月中旬からで、十一月十四日にまとめた報告書にも人員規模などは盛り込めなかった。
総務、財務両省などは人事部門の統合案に依然強い難色を示している。一方、自民党内では「報告書は中身が全然ない。官僚による骨抜きを防ぐため、拙速な議論は避けるべきだ」(渡辺喜美元行政改革担当相)と、来年度設置にこだわらずに、さらに慎重な論議を継続するよう求める意見が出ていた。
こうした状況を踏まえ、甘利明行革担当相は先に来年度設置について「事務折衝で折り合いがつかない場合は政治決着を図る」と先送りもあり得るとの考えを示していた。