フィンランドの世界最大手の携帯電話端末メーカー、ノキアが来年春にも日本で通信事業に乗り出す方針であることが二十二日、分かった。自社の端末を使った携帯通信事業を手掛けることでブランドを浸透させ、端末販売の拡大を目指すのが狙いとみられる。
端末メーカーが通信事業を手掛けるのは日本で初めて。携帯電話サービス事業の競争が激しくなりそうだ。
ノキアはNTTドコモから通信回線を借りるMVNO(仮想移動体通信事業者)方式で、携帯通信への参入を計画。富裕層向けに貴金属をちりばめた豪華端末を、百万円前後から数百万円で販売する。専用ボタンで担当者につながり、ホテル予約などの要望に応える二十四時間サービスを提供。東京・銀座への出店も計画している。
ノキアは携帯電話の販売で世界シェアの四割を握る。欧州やアフリカ、中国、インドなどで普及モデルを中心に人気。
日本ではNTTドコモやソフトバンクモバイルが端末を取り扱っているが、携帯向け地上デジタル放送(ワンセグ)や決済サービスの「おサイフケータイ」など多彩な機能を持つ国内メーカー機種に押されて、ノキアは低いシェアにとどまっている。
MVNOをめぐっては、ウォルト・ディズニー・ジャパンがソフトバンクの通信網を借りて今年春にサービスを始めた。