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2008年11月22日(土) 10時33分

85%の128地点で地価下落 国交省が150地点調査中国新聞

 国土交通省が二十一日発表した主要都市の地価動向報告によると、全国の主な商業地、住宅地計百五十地点の十月一日時点の地価は、三カ月前の七月に比べ85%に当たる百二十八地点で下落、15%の二十二地点は横ばいで、上昇地点はゼロだった。初回(今年一月)から継続調査している百地点で見ても、下落は90%と前回(七月)の38%の二倍以上に達した。

 米国発の金融不安による不動産投資の減退や景気後退を受け、地価の下落傾向が鮮明になった。今後の景気見通しでも、与謝野馨経済財政担当相が十八日に二〇〇九年度の国内総生産(GDP)について「プラスになる自信はとてもない」と指摘するなど先行き懸念が高まっており、実体経済の悪化とともに地価はさらに下落を続けそうだ。

 三大都市圏別の地価動向では、下落地点の割合は東京圏が六十五地点のうち94%、大阪圏が三十九地点のうち92%、名古屋圏が十四地点のうち93%と、いずれも90%を超えた。

 また地方圏は三十二地点のうち56%が下落。個別の地域では、福岡と仙台は市内の全地点で下落、札幌と広島市はそれぞれ下落か横ばい、那覇市はすべて横ばい。このほか調査対象が一地点の富山、金沢、静岡、浜松、大津、岡山、熊本の各市と長野県軽井沢町は下落。北海道函館、茨城県つくば、群馬県高崎、新潟、岐阜、滋賀県草津、高松、松山、鹿児島の各市は横ばいだった。

 調査対象は都市部の駅前一等地や高層マンションの集積地など、周辺に先行して地価が動きやすい地点。精度を高めるため、今回から五十地点を加えた百五十地点に対象を広げた。

 一月調査(百地点)では下落地点の割合は2%、上昇地点の割合は87%だった。この一年間で地価動向は反転したことになる。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200811220075.html