大阪地検特捜部は二十一日、著作権譲渡をめぐる五億円の詐欺罪で音楽プロデューサー
小室被告は調べに「返済期日が迫り、何としても金をつくらなければ破産すると思った」と供述、起訴事実を全面的に認めている。また「生活が豪華になり、金がどんどん入る中で、裸の王様になった」「人生を振り返るチャンスを被害者に与えてもらい感謝している」と話しているという。
ほかに起訴されたのは、小室被告が役員を務めるプロダクション「トライバルキックス」(東京)の監査役
起訴状によると、小室被告らは二〇〇六年八月、これまでの作品八百六曲分の著作権について、既に七百九十三曲を約四十の音楽出版社に譲渡し、うち主要約三百曲はト社などに二重譲渡していたのに、「全部僕に著作権があります」などとうそを言って、十億円で売却する契約を兵庫県芦屋市の投資家男性と締結。
その上で「印税収入は前妻に差し押さえられていて、解除に五億円必要」とだまし、二回に分けて計五億円を先払いさせた、とされる。
小室被告らは当初、投資家に五億円の融資を申し入れたが、拒否された。また、著作権を譲渡済みだったことについて「話したら契約が駄目になる。伏せよう」と事前に口裏合わせしたという。
五億円のうち、約四億四千万円が小室被告の借金返済などに使われ、残りは木村被告の借金に充てられた。