【ロサンゼルス21日共同=増田和則】経営危機に陥っている米自動車最大手ゼネラル・モーターズ(GM)の複数の取締役が、米連邦破産法一一条(日本の民事再生法に相当)の適用申請を含めたすべての選択肢を検討する意向を示していると、二十一日の米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が報じた。
GMが期待する米政府資金による早期支援の実現が困難視されている事情が背景にあるとみられる。
GMのワゴナー会長は米議会の公聴会で破産法の適用申請が「現実的な選択肢ではない」と証言。これまでも申請は検討しない姿勢を示してきたが、ワゴナー氏を支持した取締役会も一枚岩でないとみられ、今後の経営判断に影響を与える可能性がありそうだ。
同紙によると、政府支援の実現を最優先に目指す方向では一致しているが、一部の社外取締役らは破産法適用の申請も除外していない。GM側は取締役会が申請について議論したことは認めているという。
GMは破たんすれば米経済に深刻な影響が及ぶと強調し早期の政府支援を求めたが、議会の検討は十二月に先送りとなった。株価は二十日に一時、約七十年ぶりの安値水準となる一・七〇ドルまで下げた。
GMは二〇〇八年七—九月期決算で二十五億四千二百万ドル(約二千四百億円)の純損失を計上。金融危機による景気後退と販売低迷で業績が悪化、毎月二十億ドル以上の手持ち資金が目減りし、年明けまで資金繰りが持たない恐れも指摘される。