ファミリーレストランチェーンのサイゼリヤは21日、豪ドルに絡むデリバティブ(金融派生商品)取引による評価損が発生し、11月末時点で約140億円になる見込みだと発表した。
世界的な金融危機の影響もあり、豪ドルが対円で想定より大幅に下落したためで、現在の為替水準が続けば通期決算が最終赤字になる可能性があるという。
今後は為替動向を見極めながら、解約も含めて対応を検討する。記者会見した正垣泰彦社長は本業への影響について「多少は影響が出るかもしれないが、新規出店や採用、店舗の運営には影響がない」と話した。
サイゼリヤは、オーストラリアの工場で製造したハンバーグやホワイトソースを輸入しており、為替の変動による損失を避けるためにデリバティブ取引を行っていた。
購入していたデリバティブのうち一つは、将来、豪ドルがどんなに値上がりしても1豪ドル=78円で購入できる設定だった。一方で、この水準を下回れば、損失が発生する仕組みとなっている。1豪ドル=60円程度にまで下落したため、評価損が膨らんだ。140億円の評価損は、1豪ドル=65円を前提に算出した。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081121-OHT1T00291.htm