石川県白山市の白亜紀前期の地層「桑島化石壁」(約1億3000万年前)で2000年に見つかった魚の化石が、世界最古で新種のアロワナ目と判明したと21日、白山市教育委員会が発表した。
当初はアロワナ目の一つであるアロワナ科の絶滅種「ファレオドゥス」とみられていたが、えらぶたやうろこの形が独特で、調査した北九州市立自然史・歴史博物館の籔本美孝自然史課長(魚類学)がアロワナ目の新属・新種と結論付けた。
籔本課長は「アロワナの起源は東アジアで、ジュラ紀中期までさかのぼる可能性がある」としている。南米で見つかったアロワナ目の化石より、約1500万—2000万年さかのぼるという。
学名を「テトリイクチス・クワジマエンシス(桑島の手取魚)」と命名し、9月に国際学術誌「メソゾイック フィッシィズ(中生代の魚類)」に発表した。桑島化石壁が属する「手取層群」は富山、石川、福井、岐阜4県にまたがる化石の宝庫で、ここで見つかった魚類の化石に学名が付くのは初めて。
化石は頭と脊椎(せきつい)の骨の一部、うろこなどで体長は推定約15センチ。同じアロワナ目のナギナタナマズ科の特徴も備えており、観賞用として人気が高い現代のアロワナ科に属するかは断定できないという。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20081121-OHT1T00259.htm