大阪地検特捜部は21日、著作権譲渡をめぐる5億円の詐欺罪で音楽プロデューサー小室哲哉容疑者(49)=東京都港区西麻布=ら2人を起訴した。大阪地裁は同日、保釈保証金3000万円で小室被告の保釈を決定した。
小室被告は調べに「返済期日が迫り、何としても金をつくらなければ破産すると思った」と供述、起訴事実を全面的に認めている。また「人生を振り返るチャンスを被害者に与えてもらい感謝している」「生活が豪華になり、金がどんどん入る中で、裸の王様になった」と話しているという。
ほかに起訴されたのは、小室被告が役員を務めるプロダクション「トライバルキックス」(東京)の監査役木村隆容疑者(56)。代表取締役(45)については、利得を得ていないことなどから、起訴猶予処分とした。
起訴状によると、小室被告らは2006年8月、これまでの作品806曲分の著作権について、793曲を既に約40の音楽出版社に譲渡し、うち主要約300曲はト社などに二重譲渡していたのに、「全部僕に著作権があります」などとうそを言って、10億円で売却する契約を兵庫県芦屋市の投資家男性と締結。
さらに前妻に差し押さえられていた印税収入の権利について、解除する意思がないのに、解除代金として計5億円を支払わせ、だまし取った、とされる。
(共同)